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Latest Update 2026

合法なのにお金が受け取れない!? 成人向けゲームクリエイターを直撃する「銀行の壁」問題

税務署に登録した個人事業主として、台湾のパブリッシャー経由で海外に成人向けゲームを販売しているクリエイターが今年3月、突然銀行から「入金できない」と告げられました。日本国内でも2年、米国でも1年、問題なく販売を続け、プラットフォームのコンプライアンス違反もなし。モザイク処理も日本の検閲基準を満たしている。なのに、なぜ?

これは一人の話ではありません。参議院の山田太郎議員も、日本人や日本企業がSteamなどで成人向け作品を販売した際、外国からの送金を日本の銀行に拒否されるケースや、そもそも成人向けゲームを扱っているという理由で口座開設自体を断られるケースが起きているとして、金融庁と経済産業省に確認を行ったことが報告されています。

🚫 「違法だから」じゃない。じゃあ、なぜ?

ここが最大のポイントです。「成人向けコンテンツ=違法」ではありません。日本のソフ倫基準(モザイク処理など)をクリアした上で国内外で合法的に販売されているゲームは、正真正銘の合法ビジネスです。

金融庁が銀行にヒアリングした結果でも、「成人向けゲームであることだけが理由ではなく、犯収法(犯罪収益移転防止法)や外為法(外国為替及び外国貿易法)に基づく総合的な判断」との回答が得られています。つまり銀行は「エロだからダメ」とは言っていません。

では何が「総合判断」の実態なのか。送金を断られたクリエイターが銀行に「どの条項に基づく拒否か、文書で回答してほしい」と弁護士を通じて要求したところ、返ってきた答えはこうでした。

「送金内容、送金形態、取引背景等を基に個別案件ごとに確認した結果。具体的な判断基準や内部検討の詳細は開示できない」

理由は教えられない。でも入金は止める。これが今、現場で起きていることです。

🔍 なぜ銀行は慎重になりすぎているのか

背景には、国際的なマネーロンダリング(資金洗浄)対策の強化があります。近年、マネーロンダリング防止やテロ資金供与対策が国際的な重要課題となっており、銀行は海外からの送金を「特に危険度が高い取引」として位置付け、確認の結果によっては受け取りを断ることがあります。

銀行側の論理で言えば、成人向けコンテンツの取引は次のような点で「確認コストが高い」と映ります。

  • 送金元が海外パブリッシャー・プラットフォームなど複数経由で追跡しにくい
  • 売上なのかロイヤルティなのかライセンス料なのか、名目の説明が分かれやすい
  • 成人向けコンテンツは法令適合の確認に手間がかかる

クリエイター側がどれだけ誠実に資料を提出しても、銀行が「リスクあり」と内部判断すれば、その根拠を一切開示せずに拒否できてしまう。これが今の仕組みの問題です。

⚠️ これって「表現規制」とは違う話?

クレジットカード会社がDLsiteやFANZA同人での決済を止めた問題は記憶に新しいですが、今回の銀行問題はそれとも少し異なります。金融機関や決済代行会社がアカウントを閉鎖したり取引を妨害したりすることでオンライン上の表現の自由に不利な影響を与える行為は「金融的検閲(Financial Censorship)」と呼ばれ、インターネット上で収入を得るクリエイターにとっては、オンライン決済が不可能になることが表現活動の停止に直結するとして問題視されています。

ただし今回の銀行の対応は、外部団体からの圧力というより、マネロン対策を背景とした銀行自身の「過剰なリスク回避」である可能性が高いです。山田議員も、合法な取引であれば入金が保障される仕組みが現状ではないという点を問題視しており、金融庁・経産省と対応の検討を始めています。

💡 ゲームを作っている人へ

今すぐ銀行が全て解決するわけではないですが、知っておくべきことがあります。

  • 海外送金受け取りに対応する銀行は複数当たる必要がある(どこが確実かは現状非公開)
  • 契約書・販売実績・プラットフォームのコンプライアンス証跡はしっかり整理しておく
  • 陳情・政治家への声かけは「合法収益の送金を何の基準で断るのか透明化せよ」という論点が最も届きやすい

山田太郎議員はこの問題について引き続き動いているとされており、同じ状況に置かれているクリエイターが声を上げることで状況が変わる可能性はあります。一人の問題ではなく、業界全体の問題として認識されはじめていることは、確かです。